ルルーシュたちの幼少期に、もし藤堂と出会っていたならばと言う捏造話です。
ただ、ほんの触り程度なので……
管理人が書きたい 【藤堂×ナナリー】 をかけませんでした……
………いいじゃないですか………年の差カップル(年の差ありすぎだ
まだルルーシュが、日本に来て間もない頃……
ブリタニアが、日本に攻めてくる少し前の話。
枢木神社の石段の下に一つの道場がある。
道場の名前は、藤堂道場……その道場に一人の男性が居た。
男性の名前は、藤堂 鏡志朗。
藤堂道場の師範であり……枢木ゲンブの息子枢木スザクに稽古をつける事を担っていた。
まぁソレはおいておこう……
藤堂は、スザクの稽古を終えた後特にやる事も思い浮かばず外へと出る事にした。
神社内を、散歩するのも偶にはいい気分変えになるだろう……と、思っての事だ。
個々最近、道場に缶詰状態に近かった藤堂は、早速外履きを履き外へと歩を進めた。
尚、缶詰状態の原因としては、最近やたらと稽古を付けてくれと言う朝比奈とかのせいである。
神社内を歩けば……頬を撫でる優しい風、静かなる木々の葉擦れの音。
遠くにあって近くに聞こえる蝉の鳴き声。
やはり、良いものだな……と、藤堂は歩きながらにそう思う。
ふと、数十メートル先に人影を見つける。
なんだろうか? と、藤堂は歩を進めた。
其の先に居たのは、枢木スザクと少年と少女……
枢木ゲンブから聞いていた。ブリタニアから来た少年と少女か……と、顎に手を当てて思う。
「誰だ!」
と、少年が笑顔から険しい表情に瞬時に変え藤堂の方を振り向く。
それにつられ、スザクも其方を向き少女は、きょとんとして首をかしげた。
スザクは、藤堂だとわかると笑顔を浮かべて藤堂を睨んでいた少年に、大丈夫だよと言う。
「スザク。其方の二人は?」
「あ、はい! ルルーシュとナナリーです!」
いや、そうでなくて……と、スザクの言葉を聞いて藤堂は心の中でため息をついた。
そして、相変わらず此方を睨む少年ルルーシュに歩を進める藤堂。
藤堂が歩み寄ってきて、ビクッと身を固めるルルーシュだったが……
「そう警戒するな……危害なぞ加えん」
と、ポンッとルルーシュの頭を軽く叩いた後、少々乱雑にルルーシュの頭を撫でた。
ルルーシュは、藤堂の行為に一瞬唖然とした後その手を払う。
そんなルルーシュを見て、スザクはルルーシュ! と、今の行為を咎める様にルルーシュの名前を呼んだが……
藤堂は、そんなスザクに対し良いと、短く告げる。
「ふむ……良い眼をしているな……」
「………」
キッと睨むルルーシュを見つめて藤堂は、そんな事を呟く。
そんな藤堂に対して、ルルーシュはなんだこの男は! と、歯を噛締めていた。
「お兄様?」
と、ナナリーが立ち上がりゆっくりと此方へと歩を進めてくるが
とある事件にて、ナナリーの眼は光を映さない。
故に、ゆっくり歩いてきていたのにも関わらず……足元の草につま先をとられ転びそうになる。
ルルーシュとスザクが、慌てて助けようとしたが……それよりも早く藤堂が、転びそうになったナナリーを抱き上げた。
一番ナナリーから遠かった藤堂が、一陣の風の様にナナリーへ近づき抱き上げたのだ……
その後、藤堂は直ぐにナナリーを降ろした。
「ありがとうございます」
と、ナナリーは、顔を上げて藤堂に礼を言うと、藤堂は、口元に小さな笑みを浮かべてナナリーの頭を撫でた。
それを見ていたルルーシュは、ムッとして藤堂の足元目掛けて蹴りを放つも……
ふんわりと、ルルーシュの体が宙に浮き優しく地面に投げ出された。
「師範! 何をするんですか!」
突然の事に、スザクはルルーシュを立ち上がらせた後、藤堂に向けて大声で言う。
藤堂は、ふぅとため息を一つついた後スザクに、デコピンを一発喰らわせた。
その事に、スザクは鈍い痛みを伴った額に手を当てて藤堂を見た。
藤堂は、笑っていた。柔らかく。
滅多に笑みを浮かべない藤堂が、笑みを浮かべていた事にスザクは石化してしまう。
「ルルーシュ……だったな?」
と、藤堂は屈んでルルーシュと同じ目線になる。
な、何だよ……と、ルルーシュは少し後ろに退くが……
ポンッと、先ほどと同じ様にルルーシュの頭を軽く叩く藤堂。
「この子を護れない事と、自分が何も出来なかった事に苛立ちを覚えるのは構わんが……
些細な事でも助けてもらった相手に礼を言う事は礼儀だ……
何、今何も出来なかったのであれば努力して出来る様にすれば良い」
そうだろう? まだ若いのだからな。と、藤堂はルルーシュに言う。
そんな藤堂の言葉にルルーシュは、顔を顰めるが……何かを思いつめた様に頷くのだった。
「何を背負っているのかは聞かん……困った事があったならば、私の所へ来い。稽古ぐらいならつけてやろう」
それは、暗に鍛えてやろうと言っている藤堂。
其の後、もう一度ルルーシュの頭を撫でた後立ち上がり、その場から去ってゆく藤堂。
そんな藤堂を見送るルルーシュとスザク、そしてナナリー。
「大きな方でしたね……何処か温かな人でした」
「……スザク。アイツの名前は?」
「えーっと、藤堂、藤堂 鏡志朗さんだよ。僕の武術の稽古をつけてもらってるんだ」
後日、藤堂道場で二つの稽古に勤しむ声が響き。
時々、小さなかわいらしい声が、その二つの声を応援するのだった……
たぶん続く。 PR |