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【2025年06月25日22:52 】 |
ハンター不思議話
注意 モンスターの擬人化あります。





 森と丘のフィールドに、一人の男性ハンターが居た。
 その男性ハンターの名前は、サリギラ。
 別に、大層な二つ名を持っている訳でもないし
 装備が素晴らしい! と、褒められる訳でもない。
 防具は平凡。ココット村で売っているレザーライト系列に
 スキンライトベルトにグリーンジャージ。
 ただ、武器だけはデスパライズと言う麻痺効果を持つ武器を装備していた。
 デスパライズに関しては、サリギラが何十万回と死に掛けて素材を集め

 採取の仕事などでコツコツとお金をためてようやく作り出した片手剣だ。
 元は、ハンター成り立ての頃大変お世話になる片手剣ハンターナイフである。
 サリギラは、そのハンターナイフに愛着を持ち。
 ハンターになって三年の月日が流れた今もそのハンターナイフを使っている。
 そう、開発と言う形でハンターナイフをデスパライズと言う形に強化させて。
 話が逸れたので戻そう。
 サリギラは、ハンター成り立ての頃ハンターナイフと同じく大変お世話になった森と丘のフィールドへ足を運んでいた。
 別に、なにか用事があった訳でもないが……
 ココット村の村長に「安全かつ平和的で暴力が無い仕事はないか?」とハンターらしからぬ注文をした結果。
 キノコの採取というクエストをサリギラに、任せたのだった。

 まぁそんな訳で、サリギラは今森と丘のフィールドに居ると言う訳だ。
 個々最近、デスパライズを作る為にゲネボスやドスゲネボスと壮大な戦いをずっと繰り広げて来ていたサリギラにとって
 森と丘のフィールドは、まったくもって平和で安全な場所と目に映る。
 が、森と丘のフィールドにも危険は多々あるのだが……
 そんな事は、今のサリギラには関係ないらしく……サリギラは、鼻歌なぞ歌いながらキャンプ地を後にした。
 もてる限りの回復薬に薬草、閃光玉に煙幕玉を持って。
 さて、この事から分かる様にサリギラは、戦う事をあんまり良しとしない。
 良しとしないと言うより……嫌いである。

 じゃぁ、今装備しているデスパライズを作る為に戦ったのは何故だ? と、聞かれればサリギラはこう答えるだろう。
「相棒とも言って過言で無い武器の為に、一肌脱ぐってのが漢の心意気だ」
 非常に、阿呆な答えを返してくれるだろう。
 余談として、戦う事を嫌いなのに……その答えはなんだ? と、サリギラの友人は呆れたのは言うまでも無い。
 サリギラは、鼻歌を歌いながらまずキャンプが設置されている場所から洞窟(と、言っても余りに短い)を抜ける。
 サリギラの目に広がったのは、青い空に流れる白い雲。風によって小さな葉がすれる音のする草原。
 そして………

「……重症のアプトノスが居りました……」

 そう、ランポスにでも襲われたのか知らないが、其処には重症を負ったアプトノスが居たのだった。
 さて、どうしたものか? とサリギラは思う。
 重症のアプトノスの周囲では、他のアプトノスが呑気に草などを食んでいる。
 少しぐらい心配してやれよ! と、サリギラは思う。
 私が大怪我をした時も私の友人は………あぁ、ありゃ心配ってより馬鹿にしてたか。
 と、どうでも良い事を思い出し、今この場に居ない友人に対してフツフツと怒りを湧かせていた。

 って、そんな事を考えている場合ではない! と、サリギラは首を激しく横に振り邪念を振り払うと
 一目散に重症のアプトノスへ走って近づいたのだった。
 重症のアプトノスは、横たわっており体のあちこちに傷を作り血を流していた。
 そのアプトノスは、サリギラを目だけでチラリと見た後小さく鳴く。
 まるで「あぁ、この人間が私へ止めを刺してくれるのか」と言ってるみたいだった。
 実際は、別の言葉を呟いていたのかもしれないが……

 アプトノスの言葉など人間であるサリギラに分かる訳も無く。
 サリギラは、重症のアプトノスを触れれる位に近づくや否や。
 道具袋から、ありったけの回復薬を取り出し……重症のアプトノスにぶっかけた。
 威勢良く思いっきり、躊躇無し。
 何してんだお前は! と、他のハンターが見たらそう叫ぶ事が容易に見て取れる行動だが……
 サリギラとしては、んなの関係あるかと言った感じである。

 回復薬が総て無くなったら今度は、薬草を強引に重症のアプトノスに飲み込ませた。
 それもまた、強引にアプトノスの口を開けて……飲み込ませたと言うよりも
 突っ込んだ。と、言った方が正しい気がするが、気にしないでいただきたい。
 一通りの行動を終了したサリギラは、満面の笑みを浮かべて一仕事終えたぜ! 見たいに額の汗をぬぐった。
 汗なんぞ出ても居ないのに……
 その後、数分ぐらいサリギラは、そのアプトノスを見ていたがクエストの事を思い出し慌てた様にキノコ採取へ向かう。


「あ~……ブルファンゴさん? 私はキノコを採取しに来ただけでだね?
 そ、そうなんだ! だから、そう威嚇しないで欲しい! いやいや! なんで突撃の準備始めるかな!
 こ、ココは穏便にだね!! うひゃぁあああああああ!!!」

 森の置くから情けない悲鳴が聞こえたとか聞こえないとか。
 結局この後、サリギラはデスパライズでブルファンゴを麻痺させキノコを採取。
 途中、採取した薬草をまた、重症のアプトノスの口の中に強引に飲み込ませた後クエストを終了したのだった。
 そして、そのクエストが終了してから七日経過したある日の事。
 サリギラが拠点としている家をノックする存在が居たのだった。

「は~い? 誰ですか?」

 サリギラが、扉を開けてノックした存在を見た。
 ノックした存在は、女性であった。
 瞳の色は緑色。肌の色は褐色に近い肌色をした長髪の女性。

「何か御用ですか?」
「……オレイ」
「おれい?」
「アナタハ、ワタシヲ、タスケタ。オレイ、イイタイ」
「へ?」

 まったく心当たりの無いサリギラに対し、その女性は淡々と言葉を紡ぐ。

「ダカラ、ワタシ、アナタノツガイニ、ナル。ソレガ、オレイ」
「はぃい!?」

 一体何!? ナニカの罰ゲームか?! あ、なるほど! この女性もかわいそうに……
 こんなブ男の所に告白して来いだなんて罰ゲームをやらされて!
 などと、思考が暴走し始めるサリギラ。
 そんなサリギラを見て、女性は首をかしげた。

「ワタシハ、アプトノス。アナタタチハ、ワタシタチヲ、ソウ、ヨブ」
「そうかぁアプトノスさんかぁ……ご苦労様。いやー嫌な罰ゲームだねー。誰だい? そんな事……」

 いま、彼女はなんていった? アプトノス? 貴方達は私たちをそう呼ぶ?

「フツツカモノダガ、ヨロシク」
「え? 此方こそ……」

 さらに思考が混乱し始めたサリギラに、彼女はそう言うとサリギラは頷いてしまった。
 気づいた時は後の祭り。ニコニコと笑う女性をどうやって追い出せと言うんだ……とサリギラは頭を抱えてしまった。
 そもそも、アプトノスってあのアプトノス? お礼ってなに?
 サリギラが、七日前に森と丘で見かけた重症のアプトノスにした行為を思い出すのはしばらく後である。
 こうして、なんの二つ名も無い平凡なハンターの元に、
 変わった女性が、突然嫁いできたのだった。






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【2007年02月18日01:13 】 | モンスターハンターSS | コメント(0) | トラックバック()
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